さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

2018年スウェーデン滞在記(37)8月29日 湖~西ヴェンメンヘーグ(2)

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一つ前の記事の続きです。

歩いた道は枝分かれすることはほとんどなかったのですが、大きく曲がっていたり、起伏があったりして、あるところまで来ると急に視界が開けることが何度かありました。
6枚目の写真のあたりもその一つ。この道路は大きく曲がっていて、歩いていくと急にこの景色が見えました。
道路の向こうに見えている少し高いところが西ヴェンメンヘーグ(「ヘーグ」は「高いところ」「丘」という意味)です。近くまで来ていることが分かっていたから、という前提はあるものの、この景色を見た瞬間に「あ!ここが西ヴェンメンヘーグだ!」と思いました。原作に挿絵があるわけではないのですが、はじまりの風景にぴったりな場所でした。

歩いていくと大正解!ちょうどその丘の手前に「西ヴェンメンヘーグ」の標識がありました。そこからさらに少し行くと、「ニルス・ホルゲルソン屋敷 こちらへ500m」の標識がありました。11時にスキュループを出発し、湖畔での休憩を経て、時間は15時を少し過ぎたところです。

「ニルス・ホルゲルソン屋敷」は、夫婦でやっている小さな民宿で、チェックインは16時から19時まで。道路沿いには、スコーネ地方で最初の小学校(現在は使っていない)があり、庭には教員だったこともあるラーゲルレーヴの胸像と、結構コワめのニルスの人形がありました。一度「ニルス・ホルゲルソン屋敷」に行こうかなとも思いましたが、まだチェックインまで一時間近くあったので、道路を隔てて「ニルス・ホルゲルソン屋敷」の向かい側にある教会に行くことにしました。

『ニルスの不思議な旅』の冒頭で、ニルスは両親が教会に出かけて留守の間にトムテ(小人)に悪戯をして、自分も魔法で小人に変えられます。5枚ほどある教会の写真は、その時両親が行った「西ヴェンメンヘーグ教会」です。説明パネルによると、この場所には1200年ごろには社があり、現在の建物は基礎の部分が1810年から12年にかけて作られ、今の形になったのは1867年だそうです。内装は古いものを再利用していて、祭壇は1600年代のものとのこと。
とってもとっても残念なことに、数年前に小さな地震があって一部が破損したそうで、中に入ることができませんでした。

教会の周りをぐるぐる2周した時点で15時半よりちょっと前。一度「ニルス屋敷」に行って16時まで待とうかと思いましたが、夜にすることもないし、一度部屋に入るとグダグダしてしまいそうです。実は、ここから5.7kmほど行ったところにヨルドベルヤという村があります。ニルスがオーサとマッツ姉弟といっしょにガチョウ番をしていた村です。
片道5km。往復10km。正確に言うと片道5.7kmだから往復11.4km。少し迷いましたが、天気も良かったし、チェックインの期限である19時までには確実に帰れそうだったので、行ってくることにしました。

教会から帰り際、道路の向こう側を見ると、すてきなりんご園が見えました。
少し引き返してりんごの写真を撮っていると、やってきた車が止まり、ドアが開いておじいさんが出てきました。おじいさんは歯のない口で何か言っています。りんごの写真、勝手に撮って怒ってるのかな…?よく聞いてみるとそうではなく、「りんごを食べていいよ」。自信がなかったので、「えっこのりんご?本当に?食べていいんですか?」と聞き返したら、「何個でも好きなだけ」とだけ言って、ドアを閉めて車に乗って行ってしまいました。実は、さっきのケバブが味が濃くてのどがカラカラ。あと10km歩くので水も節約しなければなりません。そんな中で、りんごの水分と酸味は大助かり。りんごをかじりながら、ヨルドベルヤに向かって歩き始めました。