さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

ストックホルム5 リンドグレーン1~ユニバッケン

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今年は、リンドグレーン生誕百年ということで、スウェーデンでは、とりわけ派手にいろいろやっていました。

スウェーデンに行く前、スカンセンのほかにもう一つ行こうと思っていたのが、リンドグレーンのテーマパーク「ユニバッケン」です。スカンセンと同じ、ユーゴーデン島にあります。
・・・が、スウェーデンでは、もはやリンドグレーンはすごい人気。空港にもおっきな写真が貼ってありますし、書店に行けば必ずリンドグレーン・コーナーがあり、スウェーデン語の教科書にまで載っている、という具合で、ストックホルムに来たころには、食傷気味でした。というか、すっかり商売になってしまっていて、なんとなくうんざりしました。そういう次第で、ユニバッケンもやめようかと思ったのですが、スカンセンに行くついでに、とりあえず建物くらいは見て行こうと立ち寄って、前にある銅像に釘付けになってしまいました。

この銅像リンドグレーンにすごくそっくりなんです。写実的に似ているというよりは、わたしの中にあるリンドグレーンのイメージにそっくりでした。ツーショット写真を撮ったのはいうまでもありません。そんな次第で、ユニバッケンにもふらふらと入ってしまいました。家族連れの中に、いい年して一人で入るのはちょいと恥ずかしかったのですが、わたしの精神年齢は5歳くらいなので、気にしません。

中には、リンドグレーンの物語を再現したミニチュアや、ピッピの家、『屋根の上のカールソン』の家がありました。『カールソン』が異常に人気なのでびっくりしたのと(わたしはこれはあんまり好きじゃないので)、『やかまし村』関係が何もなかったのが残念でしたが(映画が元になったテーマパークなので、多分、版権の問題だと思います)、ピッピの家は最高でした。外見だけでなく、中のディテールも凝っており(ピッピのお父さんの写真が秀逸)、造った人のリンドグレーンへの愛を感じさせました。

中を見終わった後、もう一度銅像を見に行きました。最初に見た時は、写真を撮ってる人が大勢いたので、遠慮して近くでじっくりは見なかったので、もう一度、と思って。ごらんになってお分かりのように、この銅像は本を持っていますが、この本には、こう書いてあります。

「ナンギリマだ、ヨナタン、ぼくには光が見えるよ!」

『はるかな国の兄弟』の最後の文章です。この作品は、地上での生を終えた若い兄弟が、次の世界ナンギヤラで圧制との戦いに参加し、さらに次の世ナンギリマに旅立つまでを書いた作品です。書店で、「子どもに死を教えるための本」コーナーに並んでいるのを見た時は苦笑しましたが、この本を読んでから、わたしもひそかに次の世を楽しみにしていたりします。