本・映画の紹介(北欧・独文学以外
前回の記事は、森鷗外の『サフラン』の引用で締めくくりましたが、実は、わたしが鷗外をちゃんと読んだのは、今回ドイツに来てからでした。 初めて読んだ鷗外は、小学校のころ、『山椒大夫』でした(原文だったのか、簡単にしてあったのは今では定かではあり…
まだ知り合って間もない人と話していて、相手が話題に窮すると、「芸能人で誰に似ているといわれますか」と聞かれることがあります。しかし、わたしに似た芸能人が特にいないのか、キムタクすら認識できないわたしに芸能人の話をしても無駄だと思われている…
この日曜日、12月2日は、わたしの好きな歌人、江口きちの命日でした。 26歳で自殺した、ほとんど無名の歌人なのですが、亡くなった時枕元においてあった以下の歌を、同郷の司修が日経の文化欄で紹介していたのを読んで、好きになりました。 大いなる この寂…
今週の火曜日、11月20日は、ラーゲルレーヴの149回目の、南アフリカ共和国の作家ナディン・ゴーディマの84才の誕生日でした。11月に入ってから、毎週誕生日ネタでいい加減しつこいので、これでやめますが、『若草物語』には、メグが「11月っていやな月よね」…
早いもので、もう6月になりました。5日に、ゼミでの発表が無事終わり(ちょっと自慢>先生に、わたしが書いた文章はとてもスリリングだったし、ドイツ語が上手くなったねってほめられました)、ためになる助言をいろいろもらえて、やる気が出ました。 さて…
3月は、こんな文章を紹介したいと思います。 どのようにこまんか島でも、島の根つけに岩の中から清水の湧く割れ目の必ずある。そのような真水と、海のつよい潮のまじる所の岩に、うつくしかあをさの、春にさきがけて付く。磯の香りのなかでも、春の色濃くな…