さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

引っ越し

ウップサラは住宅難です。そしてだんだん厳しくなっています。2008年に7カ月滞在した時は大学が運営する外国人向けの寮がすぐに見つかり、2011年に2カ月滞在した時は海外に行く知り合いの家に間借りすることができました。2020年は(直前にコロナで渡航禁止になったので実際には住まなかったのですが)やはり大学運営外国人向け寮が見つかりました。ただし、選択肢は2つありましたが、2008年よりも不便な場所でした。

今回は、2020年の時より1か月くらい早く大学の寮を申し込んだのですが、出発の10日前になっても返事がありませんでした。大学の家探しのページにも「見つけるコツ」というところに「気に入らない物件でも見つかったところにとにかく入居する。そして余裕をもって条件に合うところを探す」と書いてありました。これは、待っててもダメだなと思ったので、長期滞在型のホテル(キッチンがあり、洗濯もできる)を3週間ほど予約し、そこにいる間に自分で家を探すことにしました。

 

大学が外部(大学の責任外)の不動産サイトを教えてくれたので、大学の身分登録手続きと移民局が終わった段階で、集中して家探しを始めました。最初はサイトの使い方がよく分からなかったのですが、見ているうちになんとなく相場や使い方も分かってきて、4つに絞ることができました。うち2つは浴槽付きで、他の2つより4万円くらい高かったです。浴槽は魅力的ですが、1年入らないつもりで来たし、4万円あったら毎月旅行に行けるなーと思い、断念(1つはネットがなく、もう1つはわたしが住むには立派すぎたというのもありました)。2つを(外だけ)見に行ったところ、片方は前に住んでいた家に近く、懐かしい感じはしましたが、もう片方が写真を見て内装が好きだったのと、前と同じ環境でなくてもよいかなと思い、もう片方に決めました。

 

借りるのは火曜日からですが、一人で運ぶには荷物が多いこともあり、引っ越しは火曜日・水曜日の2日に分けてやりました。

ちなみに、普段の授業は火曜日と木曜日ですが、今週はゲスト講義があり、月・火・水・木と授業です。

月曜日の朝。助手さんから、わたしが日本から送った荷物が届いたと連絡がありました(荷物を送った段階で住所が決まっておらず、相談したら大学宛てに送らせてもらえました)。明日引っ越しだからもう一日置かせて!とお願いしたら良いとのことで一安心。親切だ!

火曜日。荷物を受け取り、午後の授業を受けて借りる家に向かいます。家主さんから鍵をもらうためです。荷物は服ばかりで軽いのですが、段ボール3箱で、手で持つのは不可能です。

しかしわたしには秘策があった!

じゃじゃん!カートです!!

2008年滞在の最後、こちらで買った本を日本に送るため、20キロの段ボールを1日2箱とか郵便局(を兼ねるコンビニ)に運んだのですが、最後に腰を「めこっ」とやりました。重いというより、でかい段ボールを無理な姿勢で運ぶのがダメだった気がしました。2011年には、借りていた家にお酒を運ぶ荷車があり、お借りしたところ快適だったので、帰国後にマイカートを購入したのです。

このように折りたためて(´・ω・`)

組み立てるとシャキン(`・ω・´)と働きます。

これ自体がそれなりに重さがあるので悩みましたが、畳んだ状態でスーツケースに入れて渡航

火曜日は、ホテルにある荷物のうち重たい系のもの(本と二つあるパソコンのひとつ)をリュックに入れ、カートをもって大学へ。鍵の受け取りは、段ボールを載せたカートを引き、リュックをしょって行きました。

 

家主さんは、やり取りの時も(わたしが外国人なので色々とイレギュラーなやり取りが生じても)さっと助けてくれた親切な方で、実際にお会いしても感じの良い方でした。鍵を受け取ったら、荷物を(一部)片付け、Wifiがつながるかの確認です。借りる家は家具付きですが、シーツと枕カバーはなかったので、布団や枕の大きさを測って、ホテルに帰りました。

ちなみにホテルまでは徒歩37分。

ホテルでシーツを買えるお店を検索。「シーツ」とか「枕」という単語を知らなかったので(だって研究書には出てこない)、「Sheets Swedish」とかで検索したら、スウェーデン製のシーツの通販サイトなどが出てきてしまい、やや四苦八苦してこちら↓を発見。

スウェーデン語レッスン: 家庭用品 (lingohut.com)

「枕カバー」は「耳」と「良い」の組み合わせなんですね。なぜだろう…。

 

水曜日。3週間暮らしたホテルともいよいよお別れです。朝起きて、着替えて、荷物を完成させ、掃除をしたら出発です。3週間とはいえ、いる間に物は増えるので(食料は大体うまく片づけましたが、バター、油、塩、胡椒、化粧落とし、シャンプー、トイレットペーパーは買ったやつが余ったので一緒にお引っ越しです)、スーツケースに服、リュックにパソコンとカメラを詰めると全部は入らず。かさばるが軽いもの(ルームシューズなど)は袋に入れ、リュックの横にぶら下げました。液体物はビニールテープで蓋をふさぎ、袋に入れてリュックの左右のポケットに。

 

この荷物を持って37分歩くか、途中バスに乗るか悩みましたが、バスも結局、ホテルからバス停までとバス停から家までの合計で20分くらいは歩かなくてはなりません。荷物を持ち上げて慣れないバスに乗り、カードを取り出して支払いをし、狭い車内で人の邪魔になりながら荷物を運んで、人を通り抜けて降りて…というのを考えると(ウップサラのバスは東京式で、前から乗って真ん中から降ります)、なんかめんどくさくなったのと、どっちみち歩く最初の15分が割と楽だったので、歩いていきました。

雪解け水で増水した川。ここは、その気になれば大学からすぐ来れますが、毎日通ることはなくなります。

歩いていくと、道路のタイルに字が書いてあります。「1865年、この場所で、何も起こらなかった」。お、おぅ。良かった!?

そしてこの後すぐに、わたしは激しく後悔することになります。なぜなら忘れていたからです。

ウップサラには上り坂があるということを!奥に見えているのは有名な図書館「カロリーナ・レデヴィ―ヴァ」です。

これ、写真だと分かりにくいですが、重いリュックとでかいスーツケースを持って上るにはえぐい角度と長さです。しかし、引き返すほどではありません。

汗だくになりながら、家に辿り着きました。昨日運んだ段ボールが迎えてくれます。

ちなみに、今回の引っ越しのMVPは、先ほどのカートと、「液体物」のところで登場したビニールテープです。ビニールテープを日本から持ってきたのはなぜかというと、前に来た時にスーツケースのタイヤのゴムが取れたので、そのときはビニールテープを買ってもう一つのタイヤと同じ高さになるまで巻きました。渡航前にシューリペアでタイヤを修理したのですが、到着日に長期滞在型ホテルに行くときに、雪対策の砂が噛んでつけたシューリペアが取れてしまいました。それで、長期滞在型ホテルにいる間に、もう少し丁寧にシューリペアを塗って、砂対策で両方の車輪にビニールテープを巻きました。

買い替えも検討しましたが、このスーツケース、わたしにちょうどいい大きさで、ちょうどいいくらい入るんです。どうせあちこち持って行くと痛むので、これで対策できる間は使い、それ以上が必要なら買い替えることにしました。

汚れてますが、37分間、砂もある道を重い荷物を引いてこれ。上出来です。

少し片づけて、昼からの授業で大学へ。

午前中は天気が悪くて、昼から晴れる日が多い気がします。天気がいいと花もきれいに撮れます。

授業が終わった後、寝具のカバーを買いに行きました。お店は、前日にネットで探していくつか見つけ、テイストや価格がわたしにあっていそうなチェーン店2店に絞ってありました。どちらも徒歩で行けるところにあるのですが、ウップサラの郊外にショッピングモールがあり、そこにも入っている(かつ、そこの方が大きい)ようです。いる間はできる限り買い物をしないので、その中で買うものはたくさんの中から選びたかったのと、たぶん、この機を逃すとショッピングモールには行かないかもしれないので、バスに乗って行ってきました。乗車時間は30分弱。

バス停へ向かう道。天気がいいので歩くのも楽しいのですが、ショッピングモールまで歩くと1時間です。昔なら歩いたかなー。

バス停

そして到着!でかい!

後ろの教会が超絶気になりますが、またの機会に

かっけぇ

映画館もあります

中はめちゃくちゃ広く、観光地のような標識が!

デジタルな案内板もあります。お店を選ぶと、「一番速く行けるルート」と「バリアフリー・ルート」が選べるのですが、速く行く方、そんなに急がなくてもと笑ってしまいました。

寿司屋(は、2008年・2011年に比べてすごく増えた気がする)

最初にこちらのお店へ。「オーレンス」と読みます。

ここのお店に一目見て好きなのがあり、もう一つのお店にもすてきなのがあったのですが、あまり迷わず一目見て好きな方に決めました。

去り際に撮った一枚。普段は大学を中心に暮らしているので落ち着いた雰囲気ですが、ショッピングモールは中高生や家族連れがわちゃわちゃしていて、楽しいひとときでした。

一番前の席で車窓の風景を楽しみながら帰りました。

うん、いい感じ!大きさもピッタリです。

この日はもう何もしたくなかったので、お惣菜を買って帰りました。後ろの荷物の片付けも、続きは明日です。

そんなわけで、長い二日間が終了しました。

明日、荷物を全部片づけて、床を拭いて(家主さんがとてもきれいにしてくださっているのですが、靴を脱いで暮らしたいので水拭きを)、授業に行って帰ったら、引っ越し完了です。

 

【付記】

不動産サイトでのホテル探しは日本からもできます。わたしは外国人向け寮を諦めた段階で出発が迫っており、1年間住む家を、色々な準備と同時並行でばたばた探すのが嫌だったので、今回のような形式にしましたが、以下の2つの理由から、結果として良かったです。1つ目は、サイトで地図を見ただけではわからない周囲の環境を実際に現地で確認できたことです。治安、最寄りのスーパーの規模、人通りなどです。また今回の家探しは大学からの距離で絞りましたが、大学の通用口を使うと地図サイトで出てくるよりも近かったです。2つ目は、家具付きの家なら入ってすぐに生活できるわけではなく、今回の場合であれば、シーツが必要でした(これは、聞けば教えてくれたと思います。なお、2008年の寮もシーツ類はなくて、ベルリンで買って持って行ったので、予想の範囲内でもありました)。また、家主さんも仕事があるので、必ずこちらの希望通りの日時に鍵がもらえるわけではありません。手続きにもそれなりに時間がかかります。それを考えると、旅行サイトから予約出来て、比較的自由な時間にチェックイン出来て、そのまま過ごせるホテルにいったん入ったのは良かったなと思いました。