さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

ヴェルムランド紀行7 カールスタッド1~広場でポルカを

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3週にわたるヴェルムランド紀行、いい加減グダグダですが、今日で最後です。

ヴェルムランド滞在の最終日は、州都カールスタッドを観光しました。

カールスタッドには、ヴァイキング時代から居住者がいましたが、16世紀、カール9世がここを選帝侯市(レジデンツ)として認定し、居城を建設したことで、ヴェルムランドの中心地になります(「カールスタッド」という名前は、カール9世に由来します)。カール9世は、ポーランド国王を兼ねていたジギスムンド王(ポーランド王ジグムント3世)から王権を奪取し、ジギスムント一派=カトリック教徒を粛清して、ルター派スウェーデンの国境と定めたブラッディな王様で、ロシア、ポーランドデンマークなどと常に緊張関係にありました。息子のグスタフ・アドルフは、三十年戦争で戦死した王様で、世界史の教科書に名前が載っているめずらしいスウェーデン人です。

カールスタッドは、地理的にノルウェーに近いので、スウェーデンからの独立気質が強いところと言われ、1809年には、クーデーターが起きたりもしています。

…というのは、電車の中で読んだウィキペディアに書いてあったことであって、わたしがカールスタッドに行きたかったのは、ラーゲルレーヴ作品にしばしば出て来るからでした。ラーゲルレーヴは、他の地名はフィクションなのに、カールスタッドだけ本名?で書いています。その中でもツボなのが、『イェスタ・ベルリングのサガ』の中のこの台詞。

「わたしはエケビューの少佐夫人で、ヴェルムランドで最も力のある女だ。わたしが指一本で命令すれば知事が跳び、二本ならば監督が跳び、三本使えば、坊さんたちも裁判官も、ヴェルムランドのどんな鍛冶場主だって、カールスタッドの広場でポルカを踊る。」

この、「カールスタッドの広場」を見たいなァ(そして、ポルカを踊りたいなァ)とずっと思っていたのでした。一番上の写真は、市庁舎前です。立っている銅像は、1905年にノルウェースウェーデンから「平和的に」分離独立したことを記念したものですが、なぜ、女の人の足が、かぶとに入ったどくろを踏んでいるのか、悩ましいところです。

ちなみに、「エケビューの少佐夫人」が今回は指を使わなかったので、わたしはポルカを踊りませんでした。