さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

155kmのベルリン散歩10 ついにゴール!!

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いよいよスウェーデンへの出発も迫った2月21日、最後のベルリン散歩をしました。

始めたのは9月。残暑が厳しくて、まだ半そでの季節で、木の葉も青い時期でした。東西ベルリンの国境をひたすら北上した夏の終わりは、日がどんどん短くなるのを感じました。ベルリンの北を歩いたのは秋で、ドイツではあまり見られないと思っていた紅葉が美しくて、秋が深まってくると、林を歩くときの落ち葉の匂いが嬉しかったです。冬は冬らしく南下したのですが、周りにお店がなかったせいで昼メシを食いっぱぐれること2回、雨が降れば足はぬれて総しもやけ、ゆっくり歩くと凍え死ぬけど、早く歩いて汗をかくとまた寒い。2月下旬に歩いた最終回は、まだ風は冷たかったけれど、真冬ほどではなく、陽ざしもどことなく春めいて、花なども咲き始め、歩いているうちにこれまで見たもの、行った場所が走馬灯のようにめぐり、万感の思いが押し寄せてきました。

…なーんて書くと思ったら大間違い。最後までハプニングがつきものなのが、わたしの人生です。前回距離を稼いだおかげで、この日は余裕っぽかったのですが、それでも、何があるか分からないし、油断は禁物。さくさく歩いていると、二時間くらい歩いたところで、どうも右足首が痛いのに気がつきました。

実は、その前の週のジョギング中に、足をひねったんです。その昔、靭帯を傷つけてからひねりやすくなっている足で、いつもはそう大したことにはならず、その時もなんともなかったので、そのまま走って、その後もなんともなかったのですが、距離を歩いたのがまずかったのか、「チェックポイント・ブラボー」の近くで、急に痛み出しました。

ほっとけばそのうち治るだろう(オイオイ)と思って30分ほど歩いても痛みはひどくなるばかり、座って早めの昼食(大好きドイツのリンゴパン)を食べたのですが、休んですぐは良かったものの、あまり効果なし。もんでみてもきかない。どうしようかなあと思ったのですが、そのあたりにはバスも電車もなく、それにやっぱり人情として、いくらなんでもここでやめるわけにはいきませんでした。

更に、このあたりは、まだ遊歩道になってない部分がたくさんあり、やたらと迂回。当然、歩く距離は伸びます。右足が痛いせいで無理な体勢になるので、左足も、腰も痛くなってくるし、肩までこってきました。ディズニーシーの、関節がすべてばらばらみたいなホラーな動きをするインディ・ジョーンズの気分でした。

しかも、手袋をつけると暑いし、つけないと寒いしという気温で、つけたり外したりしているうちに、5本指の先がすべてしもやけました。引越し前の掃除で手が荒れていたのが、しもやけでふくれたせいでひび割れてしまいました。ゴールしたときには、右足を引きながら、手の指全部から出血しながらという、一見壮絶そうで、実はものすごく間抜けな姿でした。

そんなだったので結構ぎりぎりだったわけですが、夕暮れの対岸に、12月末に行きづまったサクロウ湖のハイランズ教会を見たときは、感激しました。歩いたぜ!すごいぜ!!155kmだぜ!!!っていうか道に迷ったから、もっとだぜ!!!!と思いました。

対岸に教会を見た「ゴール地点」のあたりは、バスもなく、引き返そうかなあと思ったのですが、実は、サクロウ湖のほうに行かなければ、地続きになった道があったんですね。それだと、壁の跡からはずいぶんと離れてしまいますが。足は相変わらず痛かったのですが、日が暮れるまで、その道を歩けるところまで歩いて、6時過ぎに、2時間に一本しかないバスの最終に乗って、電車の駅まで帰りました。12月の一番寒いときは、4時に日が暮れてたのに、だいぶ日が長くなって、春も近づいたなあ、ドイツに来て、一年と一ヶ月、色々あって、楽しかったなあ、と、それなりにしんみりしたのは、バスに乗って、夜の景色を見ている時でした。

バス道もずっとBerliner Mauerwegだったので、赤い印は、最後なのでちょっとおまけして、バスで通ったところにも引いておきました。