さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

クリスマス・マメ知識2~ルシア祭

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前回のサンタクロースは、民間信仰キリスト教の行事として定着していった例でしたが、スウェーデンで12月13日に行われるルシア祭は、その逆パターンで、キリスト教の殉教者聖ルシアが、スウェーデン民間信仰の光の女神として定着したものです。

キリスト教の聖ルシア(ルチア)は、7世紀ごろにシラクスで殉教した聖女です。名前はラテン語で「光」を意味し(電気の明るさの単位「ルクス」も同語源)、本人が殉教する時、目をくりぬかれても視力を失わなかったとされていることから、北欧以外でも、「目の守り神」「眼病を治す聖人」などとして、民間で人気があったようです。確か、東京の国立西洋美術館の常設展示には、目玉の乗ったお盆を持ったルシアの絵があったと思います。キリスト教文化圏では毎日、誰か「聖人の日(名前の日)」というのが決まっていて、ルシアの日(12月13日)が冬至に近いこと、名前が「光」を意味することから、スウェーデンの西海岸で、闇に勝利する光の女神としてあがめられてきました。

20世紀初頭に、この風習がスウェーデン全国に広がり、現在では、ルシア祭はスウェーデンの冬の風物詩となっています。金髪の若い女の子が白い服を着、赤い帯をつけ、頭にろうそくをたてて女神ルシアを演じ、皆で「サンタ・ルチア」のスウェーデン語バージョンを歌います。

今日は、朝7時半から、スカンディナヴィア科でも、ルシア祭があり、その後の授業も、ルシア祭スペシャルでした。載せられそうな写真があったら、後日アップしますね。