さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

聖マルティン祭

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明後日、11月11日は、ロロノア・ゾロの誕生日。…というのは、今日の記事とは関係なくて、キリスト教文化圏では、聖マルティン(マルティヌス)の祭日です。

聖マルティヌスは、ローマの軍人で、フランク族守護聖人。乞食に自分のマントを切ってほどこしたところ、夢にそのマントを着たキリストが現れ、のちキリスト教に改宗して、トゥールの司教になったたとされています。ちなみに、マルティン・ルターは、11月10日生まれで、11日に洗礼を受けたそうです。

この日は、子どもたちがマルティンの歌を歌いながらちょうちん行列をし、なぜかは知りませんが、ガチョウ料理を食べるそうです。以前、大学院のゼミで読んだ、ラインハルト・イルグル『敵との別れ』という結構最近の小説にも、「マルティン祭のガチョウのように丸々と太った」という形容詞が出てきました。

マルティンは、スウェーデン語に直すとモルテンになります。『ニルスの不思議なたび』で、主人公を乗せて飛ぶガチョウがモルテンという名ですが、彼は「モルテン祭に食べられるためのガチョウ」だったんですねえ。事実、がんの群れとの旅を終えて帰郷したモルテンは、ニルスの両親に、「明後日がモルテン祭だから、明日なら市場で高く売れる」という理由で、危うく絞められそうになります。

…前置きが長くなりましたが、つまり、今日11月9日は、ニルスが故郷に帰った日。作品は1907年に出版されたので、今日はニルスが帰郷して、ちょうど100年目ということになります。100年と一口に言いますが、書いたものが100年残るのは、すごいことです。わたしには100年残るものは書けませんが、ラーゲルレーヴの次の100年につながる仕事ができれば、と思っています。