さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

ヴェルムランド3 モールバッカ~バック・カイサの道

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モールバッカのラーゲルレーヴの家の裏には、森があり、「バック・カイサの道」という遊歩道がつけてあります。バック・カイサは、ラーゲルレーヴの乳母の名前で、ラーゲルレーヴが歩けない間、この乳母がラーゲルレーヴをおんぶしてどこにでも連れて行ったそうで、ラーゲルレーヴの自伝にもたびたび登場します。

モールバッカの掲示板にあった説明によると、全長3km、分かりにくいところには木にしるしがつけてあって、(わたしのようなあほでも)無事に行って帰れます、と書いてあったので、行ってみることにしました(最初は墓参りをするつもりだったのですが、生家から5キロほどで、往復する時間がなかったので)。次の日学会だから、服や靴を汚したくはなかったのですが、3キロですから、途中で引き返しても知れてるやと思って。

ここがすごくすてきでした。森というか、山の中で、針葉樹や白樺の間を進むのですが、下はふかふかの腐葉土で、子どものころ、母と一緒に近く(チチヤスの裏)の山にまつぼっくりを採りに行ったときのことを思いだしました。

「バック・カイサの道」の中間地点が、遊歩道の中で一番高く、そこで視界が開けて、モールバッカを見渡すことができました。2番目の写真がそれで、遠くの山の下に細く光って見えるのは、フリーケン湖という湖です。この湖は、ラーゲルレーヴ作品に「レーヴェン湖」(レーヴは、葉っぱのこと。この湖は細長い葉の形をしています。ちなみに、「ラーゲルレーヴ」は、「月桂樹の葉」という意味です)という名でしばしば登場し、ラーゲルレーヴはこの湖のことを、「わたしの子ども時代の夢の湖」と呼んでいます。

こういう風景を原風景にして、ラーゲルレーヴが書いてきた作品とわたしは今向き合っているわけなので、くもの巣に引っかかること数十回、なぞの虫にかまれること3回(ホテルに着いて、ズボンの中で、わたしの足に噛み付いたままぺしゃんこになってお亡くなりになってるやつを発見)と、なかなかハードでしたが、行けて良かったです。