さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

ドレスデン8 レジデンツ城

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ドレスデンの最後の週末は、レジデンツ城に行ってきました。ここの塔からドレスデンの街が見下ろせるので、2ヶ月の滞在の締めくくりにはちょうど良いかと思って。以前掲載した、ゼンパーオペラを見下ろした写真も、ここから撮ったものです。

いきなり話が飛びますが、「ニルスのふしぎなたび」の完訳を初めて読んだのは、大学生になってからでした。その時思ったのは、飛行機のない時代にこれを書いた作者の想像力はすごいな、ということでした。実際には、「ニルス」出版が1906年から07年にかけて(今年はニルスが故郷に帰って100年目なんですね)、ライト兄弟の飛行実験が成功したのが1903年なので、厳密に言えば、飛行機はあるのですが、わたしの知る限り、作者は乗ったことはないと思います。ただ、その後知ったところでは、熱気球は、ルイ16世の時代に発明されていて、気球を題材にした文学もたくさんある(ジュール・ヴェルヌも気球に乗って旅行する話を書いているようですし、ラーゲルレーヴ自身も、ヴェルヌ作品に材をとった『気球』という作品を書いています。あと、ジャン・パウルもなんか書いてませんでしたっけ?)ので、空を飛ぶという発想自体も、ラーゲルレーヴ・オリジナルというわけではありませんでした。

何が言いたいかというと、ヨーロッパには、大抵どこの町にも教会や塔があるわけで、高いところから下を見るというのは、ヨーロッパの人には昔から普通のことだったのだろうし、だからこそ、気球や飛行機を発明しようという気にもなったのだろうな、と、塔に登って思いました。

これで、ドレスデンの記事は終わり。なかなか時間が取れなくて、堪能するとまでは行きませんでしたが、ドレスデンはとても良いところでした。まだ、ドレスデンとベルリンの中間の記事で書いていないものがありますが、そちらは9月、帰国(スウェーデンからドイツに)後に書くことにします。