29日はルンドから、西ヴェンメンヘーグに行きました。ここは、『ニルスの不思議な旅』の主人公の家があるところ。つまり「不思議な旅」の出発点であり、終着点です。もともと日帰りするつもりだったのですが、日本で調べてみると「ニルス・ホルゲルソン屋敷」というホテルがありました。これは当然、泊りたくなるじゃないですか。
ルンドのホテルをチェックアウト(と言っても、鍵を箱の中に返すだけ)し、駅に向かいます。実は、日本で飛行機に乗るときにバタバタして両替ができなかったので(…なぜコペンハーゲンでしなかったのかは記憶にありませんが、多分忘れていたのでしょう)、まず両替所に向かいました。6月にスウェーデンに行って驚いたのは、キャッシュレスが急速に進行していたことで、「現金不可」というお店はあっても「クレジットカード不可」というお店はありませんでした。しかし、今回の行先はかなりの田舎で、ホテルの周りに銀行などはもちろんありません。宿泊費分だけ日本円をスウェーデン・クローナに換えました。
また、スコーネ地方では、バスに乗るにはクレジットカードも不可で、「ヨヨカード(JoJokort)」というものがないとダメだそうです。このカードを持っていれば電車も割引になるとのこと。
一泊分の荷物とカメラだけをリュックに入れ、ルンド駅でスーツケースをコインロッカーに預けます(最初はホテルに置いておくつもりだったのですが、鍵がかかるところには置けないのであきらめました。昨日かったパンとチーズとハムも、パソコンもスーツケースの中)。両替をして、ヨヨカードを買って、スコーネ交通の電車に乗って、「ニルス・ホルゲルソン屋敷」の最寄り駅スキュループにいきました。
スキュループは、『ニルスの不思議な旅』にも名前だけ出てきます。小人になったニルスは、この姿を人間(つまり両親)に見られたら、自分は見世物にされるんじゃないかとおびえるのですが、その時に見世物にされるだろう場所の候補として、いくつかの地名とともにスキュループが出てくるのです。
スキュループは電車の駅もあり、町(村?)の名称であると同時に地方自治体の名称でもあります。その近隣で一番人が集まっているところなのですね。駅を降りると、スキュループの見どころなどがあり、ニルスの像の情報もありましたが、これはそこから離れた高速道路の途中にあるようで、今回は断念。
スキュループから西ヴェンメンヘーグの「ニルス・ホルゲルソン屋敷」までは7.4km。タクシーでも行けるのですが、せっかくなので歩くことにしました。この後2日併せてほぼ40kmを踏破することになる、わたしの「不思議な旅」の始まりです。