以前イタリア人の友だちと話したときに、その友だちは「ヨーロッパの鉄道旅行は退屈だ。ずっと畑しかない」と言っていました。ドイツやスウェーデンで長距離列車に乗っていても、確かに車窓の風景を眺めている人はあまりいません。
わたしは車窓の風景をひたすら眺めるのが大好きなのでこれはびっくり。何時間見ていても飽きないのですが、わたしが普段畑を見ないから珍しいんでしょうか。
しかし、車窓の風景について詳細に書く筆力はないので、そこは写真に頼り(ちなみに、今回のテーマは「走っている電車から遮断機を撮ること」)、乗り継ぎ(の失敗)に関する色々を書いておきたいと思います。
ひとつ前の投稿で書いたとおり、最初に乗った電車が遅れ、乗り継ぎの時間に間に合うようにボルレンゲにつくことは難しそうでした。
新しい到着時間の車内放送があった後、車掌さんに「ボルレンゲでの乗り換えが間に合いません。どうしたらいいですか?」と聞いたら、スウェーデン鉄道(SJ)のアプリから振替手続きができるとのこと。わたしはアプリを持っていない(実は持っているのですが、そのアプリを通じて切符を買ったわけではない)ことを伝えると、乗り換え手続きをし、新しい電車の予約番号を書いた紙をくれました。「ボルレンゲ駅で新しい切符を入手してください」。
ところが!
ボルレンゲ駅の券売機にその番号を入れてみたのですが、ヒットしません。しかもボルレンゲは無人駅。「困った時の電話番号」は書いてあるのですが、この複雑な状況を電話で説明できるかなぁ。もう新しい切符買っちゃおうかなぁ。
しばらくうろうろしていたら、同じような境遇のおばあさんに会いました。おばあさんと話していると、「自分も困っている」という人がわらわら集まってきました。みんなで困っていたら、Press Byråという全国チェーンのコンビニのお姉さんが登場。このコンビニは、郵政民営化後、切手や郵送も受け付けていて何かとお世話になるのですが、お姉さんはとても有能で、集まった人たちの番号を機械に入れ、次々と発券していきました。切符が買えなかった人たちは、番号が間違っていたり、不要な番号(最初の「0」とか)を入れたりしていたんですね。
いよいよわたしの番。しかし、お姉さんが番号を入れてくれても、切符は出てきませんでした。それどころか、わたしがもらった番号は一桁足りないとのこと。
あきらめて切符を買おうとしたら、お姉さん「でもあなたはもともと切符を持っていて、電車が遅れたせいで乗り継ぎができず、車掌さんに予約番号ももらったんでしょう。ちゃんと手続きはしたんだから、それを次の電車で言えばいいわ」
おばあさん「そうよ。わたしは別の電車に乗るけど、あなたの幸運を願っていますよ」。
コンビニから見える自動券売機で、お姉さんの助言を無視して新しい切符を買うことはできず、結局そのまま電車に乗りました。
改札に来た車掌さんに事情を説明すると、「ちょっとその番号見せてよ!あっ、入らねー。でも切符持ってたんですよね。で、この電車が遅れたと。じゃあこのまま乗ってっていいよ」
わたし「この席の予約もしてないんですけど」
車掌さん「あー、いーよいーよ」
そんなわけで、切符を無駄にすることなく無事にウップサラにつけました。
時刻は夕方の16時半になっていました。