学会二日目は、カールスタッド大学から場所を移し、ラーゲルレーヴゆかりの地で開催されました。
8時15分にカールスタッドの中心部からバスが出て、ラーゲルレーヴの生家モールバッカへ。1~5枚目の写真は車窓の風景。牛や馬が放牧されていて、写真には撮れませんでしたが、白くてふわふわの羊もいました。
ラーゲルレーヴ家は裕福な地主家だったのですが、19世紀後半、セルマ・ラーゲルレーヴが10代のころに近代化によって没落。この家は競売にかけられますが、ラーゲルレーヴは後年、作家として稼いだお金でこの家を買い戻し、そして豪華に改築します。7枚目左側の白い建物がそれ。
敷地内にはほかにもいろいろな建物があり、赤い建物は元は厩舎(stallet)でした。現在はイベントに使われており、この日の午前中のセッションはこちらでありました。研究発表の中には「作家の美術館」をテーマにしたものもありました。そういうテーマがあるのか!という驚きとともに、「作家の生家や住居を美術館として使用することは、そこに作家のghostを甦らせる試みである」というテーゼは、ラーゲルレーヴ『アルネ師の宝』の内容とも関連付けられそうと思いました。
発表・昼食をはさんで出発までの間に少しだけ敷地内を散策する機会がありました。
ラーゲルレーヴが「楽園の鳥」と呼んで飼っていたクジャクは現在も健在。白いモルテンは、10年前に来たときにはたしか一人だったのですが、今回はニルスが追加されていました。嬉しかったのは日時計。わたしはこれ、地面に影が落ちて時計になると思っていたのですが、参加者の一人が見方を教えてくれました。星がついた棒の影が丸い輪に写り、そこで時刻を見るとのこと。写真はちょうど正午の映像です。
その後の写真はもと家畜小屋ですが、現在は展示室として使われており、現在は「ラーゲルレーヴと戦争」という展示をしていました。子ども向けにニルス体験コーナーもあります(ここのニルスはよく見ると顔が怖い)。
季節は夏。蜂がせっせと花粉を集めていました。
再びバスに乗り、次の会場ロトナロースに移動です。