さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

イェーテボルイ3 出身者とゆかりの人物

今日は、イェーテボルイ特集の最終回。日本ではあまりなじみのない地名ですが、意外と知られている出身者たちをご紹介します。
 
まず、一番有名と思われるのが、ABBAビョルン・ウルヴァース(Bjoern Ulvaeus, 1945-. oeは、本当はoの上に点が二つある文字)。メンバーの頭文字からつけられたABBAのロゴは、2番目の文字が左右反転しているのですが、それは、このビョルンさんが「後ろ向きな人物」だからだそうです。ちなみに、スウェーデン語で「ビョルン」というのは、熊のことです。音楽に詳しくないわたしでも、「ダンシング・クイーン」とか、「マンマ・ミーア!」とかは聞いたことあります。
 
▲The WinnerTakes It Allを聞きながら、以下の記事をお楽しみください。スウェーデン語ではVinnaren Tar Allt と言い、Gunilla Backmannという人がカバーしています。 
 
次に、有名ではないかもしれませんが、多くの人が目にしたことがありそうなのが、今はハリウッドで活躍する俳優のステラン・スカルスガルド(Stellan Skarsgaard, 1951-.aaは、本当はaの上に丸。スウェーデン語読みだと、ファミリーネームはスカッシュゴードになります)。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで、オーランド・ブルームのお父さんを演じている人です。未見ですが、Goyas Gohst(2006.邦題は、『宮廷画家ゴヤは見た』。何とかならんか、この邦題…)で、ゴヤを演じているのが、ちょっと気になっています。
 
以下の公式サイトで予告が見られますが、一部残酷なシーンがあるので、そういうのが苦手な方はご注意を。
 
 
3番目にご紹介したいのが、作家のマリアンネ・フレドリクソン(Marianne Fredriksson, 1927-2007)。邦訳のある数少ない現代北欧作家です。ジャーナリスト出身の作家で、19世紀末から現代まで、3代の女性を描いたHanna, Anna och Johanna(1994。日本語訳は亀井よし子訳『白夜の森』、講談社、1999)は、その年のスウェーデン最優秀文学賞を受賞しました。
 
4番目は、出身者ではなく、「ゆかりの人物」で、ヴィルヘルム・ステーンハンマル(Wilhelm Stenhammer, 1871-1927)。
 
▲とくに名高い(らしい)『交響曲第2番』の出だし。
 
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▲イェーテボルイの音楽サロンの名前が「ステンハンマル・サロン」でした。イェーテボルイ交響楽団の指揮者を務めていたことがあるらしい。
 
日本で北欧音楽を演奏する人たちの団体に、「ステンハンマル友の会」というのがあります。
 
 
次は、2008年に記念すべき初邦訳が出たカーリン・ボイエ(Karin Boye, 1900-41)。日本ではほぼ無名ですが、スウェーデンの図書コーナーなどに行くと、必ずスウェーデンを代表する5~6人の中に入っています。ウップサラ大学文学部の図書館は、「カーリン・ボイエ図書館」という名前でした。
 
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▲イェーテボルイ市内にあるカーリン・ボイエの像。この日は、テレビのイベントで、駅前でバラを配っていたのですが、誰かがそれを手に持たせたようです。
 
邦訳『カロカイン』は、未読ですが、そのうち。『ムーミン』の作者トーヴェ・ヤンソンの研究者冨原真弓さんが翻訳しています。以下は、みすず書房の作品・著者紹介ページ。
 
 
最後に、ご紹介したいのが、エーヴァート・トーベ(Evert Taube,1890-1976)。シンガー・ソング・ライターです。
 
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▲海辺に立つ銅像ストックホルムにも像があるのですが、これも海辺にありました。ストックホルムのは、2007年に紹介しています。
 
 
本人が歌っている動画は、以下の通り。手に持っているのはリュートです。
 
 このトーベ、2014年の改定で、メデタク50クローナ札になるそうです。2007年に、現50クローナのオペラ歌手イェンニイ・リンドと一緒に紹介しているのは、なんとなく因縁めいています。
 
スウェーデンに旅行しても、このあたりまで足を延ばされる方は少ないと思うのですが、港町ならではのすてきさ満載です。ぜひいらしてみてください。