今回から5回にわたり、ストックホルム・ユールゴーデンのヴァーサ号博物館を紹介したいと思います。
ヴァーサ号とは何か?
30年戦争(1618-48)中、対ポーランド戦を意識して、スウェーデン王グスタフ・アドルフ(後に30年戦争で戦死。世界史の教科書に載る数少ないスウェーデン人です)の命令で1628年に作られ、なんと処女航海の日、ストックホルムの湾内で転覆してしまった軍艦です。進んだ距離たったの120メートル。転覆の原因としては、当初、1階建ての予定だったのが途中で2階建てに変更されたこと、安定していない状態でマストを張り、風にあおられたことが挙げられています。
名前の由来となったグスタフ・ヴァーサは、1397年の「カルマル同盟」以来続いたデンマーク王の支配から、スウェーデンを独立させ、ヴァーサ王朝の祖となった王様です。現在の1000クローナの肖像画にもなっていますが、高額紙幣は外国人だと受け取ってもらえないことがあるので、わたしは使ったことがなく、したがってお目にかかったこともありません。
このヴァーサ号、1956年に発見され、王室なども協力して、1961年に引き上げられました。海水温が低く、虫などが棲息できなかったために、95パーセントが当時のまま残っていたたそうです。恐るべしストックホルムの海水温。
フランスとイギリスに並んでスウェーデンを持ってきてくれるのはうれしいのですが、ちなんだ船の運命を考えると、そこはかとない不安を感じます。
話を戻して、引き上げられたヴァーサ号を、丸々展示した太っ腹な博物館が「ヴァーサ号博物館」。船大好きなわたしには、たまらない博物館です。テンションが上がります。
ヴァーサ号博物館のHPはこちら。Choose Languageのところから、日本語も選べます。今年は引き上げられてちょうど50年にあたり、トップページが特別仕様になっています。
このHP、リンク切れのページに行くと、転覆中のヴァーサ号が出てきます。オチャメ。
前置きが長くなりました。第1回目の今日は、ヴァーサ号の勇姿をたっぷりとお届けします!
▲とにかくでかい!博物館は吹き抜けになっていて、色々な角度・高さからヴァーサ号を見られるのですが、どこから見ても、全体をカメラに収めることはできませんでした。
▲今度は、上から見た図です