さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

ラップランドの旅5B すてきなオーロラ(後半)

一つ前の記事の続きです。
 
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これまでに見たものは、写真などで確認すると、光が強くなったり弱くなったり、移動したりしているのが分かるのですが、目で見ると、動かない緑のもやのようでした。ところが、ある時に急に出てきた刻一刻と強くなっていくオーロラには、襞があり、それが揺らめき、形を変えていくのが分かりました。通常、オーロラは緑にしか見えないらしいのですが、この時は、珍しい黄色い光や赤い光も見ることができました。その光が、踊るように動いていくのです。写真ではお伝えできないのが残念です。
 
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▲一番すばらしかったオーロラの最初の姿
 
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▲刻一刻と姿を変えていく 
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▲デスクトップの壁紙にした写真。すばるもすてきなお気に入り
 
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▲このオーロラを見ている間は永遠の幸せを感じたのですが、先ほど写真を撮った時間を確認すると、壁紙にした写真からここまで、わずか10分。濃密でぜいたくな時間でした。
 
このオーロラが消えた時、すでに4時間が経過し、月も高く上っていました。まだ薄いオーロラは出ていましたが、マイナス25℃の外に立っているのもさすがに限界っぽかったので、帰ることにしました。
 
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▲月明かりの中のオーロラ
 
ところが。帰る道は一本道なのですが、途中でなぜか道を間違え(ここで発揮!中丸クオリティ)、ここで迷っては大変なので、戻ることにしました。戻るために北を向くと、再びさっきのところにオーロラが出ていました。かなり強い光です。これはもう、見るしかありません。
 
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▲帰る途中だったので、さっきは入っていなかった、建物が入ってしまっています。
 
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▲オーロラ特集の予告に使った写真
 
そのオーロラも薄くなり、本当に帰ることにしました。気がつくと、5時間半もオーロラを見ていました。通常、オーロラは20分から30分しか見られないそうなので、本当にラッキーでした。
 
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▲最後の一枚。ふもとに近い、温かいところで撮ったので、レンズが結露しています。宿に帰って気付いたのですが、着ていた赤いジャンバー一面に霜が降りていました。
 
薄くなっていくオーロラに別れを告げ、今度は道に迷わずに、まっすぐ宿に帰りました。本当に幸せで、まぶたを閉じるとオーロラが浮かんで、その日は眠れませんでした。
 
わたしはこれまで、研究者が満足していいのは、死ぬ時だけと思って暮らしてきました(高校生の時に読んだ『ファウスト』が衝撃的だったんですね)。今でも、自分の研究にはまったく満足していませんが、この時ばかりは、自分の人生に深く満足しました。