この鳥は、実はわたしにとっては曰くつきの鳥でして、高校生のころ、エリザベス・ジョージ・スピア『からすが池の魔女』(掛川恭子訳、岩波書店)という作品を読みました。17世紀末のアメリカの、宗教対立と魔女裁判(になるのかな?厳密な定義はよく分かりません)を描いていて、なかなか衝撃的な作品(額に魔女の焼印を押されたクエーカーのおばちゃんがツボだった)なのですが、「訳者あとがき」に、「この作品の原題は、The Witch of Blackbird Pondで、Blackbirdはアメリカでは不吉の象徴だが、日本ではなじみのない鳥なので、『カラス』と訳した」というようなことが書いてありました。
当時、英和辞典でBlackbirdを引くと、「クロウタドリ」と出ていたのですが、『やかまし村の子どもたち』で、語り手が、お兄さんに、今きれいな声で鳴いている鳥はクロウタドリだよ、と習う場面があり、「クロウタドリって、わたしは好きです」と締めくくられていたので、オッタマゲタものでした。日本語の辞書で「クロウタドリ」を引くと、「スウェーデンの国鳥」となっていて、更に驚いた記憶があります。
同じ鳥が、アメリカでは不吉の象徴であり、スウェーデンでは国鳥なのだとずっと思っていたのですが、今回この記事を書くためにWikipediaを見たところ、Blackbirdは、英語では「クロウタドリ」ですが、米語では「ムクドリモドキ」という別の鳥だそうで、とてもすっきりしました!
クロウタドリの声が聞けるサイトを見つけたので、URLを貼っておきます。
掛川さん(名訳者です)は、不吉な鳥Blackbirdを「カラス」と意訳したわけですが、カラスなら必ず不吉かと言うと、そうでもなくて、北欧神話では、主神のオーディンが2羽のカラス「フギン(思考)」「ムニン(記憶)」を連れています。
日本神話では、3本足のカラスが神武天皇を導いたことになっているそうで、このカラスは、熊野神社に祭られています。高杉晋作が都々逸の中で殺したがっているアレですね。たしか、サッカーの日本代表のシンボルマークにもなっていたと思います。
ということで、今日は、趣向を変えて鳥の話でした。
クロウタドリの写真はあまりないので、名前を知らない鳥を二羽、乗せておきます。ご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください。2番目の写真は、これで分かれというのは、無理な気はしますが。
【追記】
例の「ブログ通信簿」は、最新の記事10件を元にして作ります。今回の更新後にもう一度やってみたから、「気楽度」が1アップして、10歳・男・給食委員になりました!40歳も若返っちゃった♪
例の「ブログ通信簿」は、最新の記事10件を元にして作ります。今回の更新後にもう一度やってみたから、「気楽度」が1アップして、10歳・男・給食委員になりました!40歳も若返っちゃった♪