さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

夏至祭・ちなみに~原始、女性は太陽であった

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ドイツでは、ヒトラー夏至祭を盛大に祝ったため(火を焚くものだったらしい)、現在は、夏至祭はやらないそうです。ただ、南ドイツでは、聖ヨハネのお祭はひっそりとやるそうで、ランタンを持って行列するんだとか。友だち曰く、「ドイツで夏至祭を祝うのは、イケアだけ」なんだそうです。

日本ではどのように夏至を祝うのか?と聞かれて困ったのですが、みなさんは何かご存知ですか?「冬至は、とんどをするけど、夏至は知らない、そもそも日本は梅雨で、6月は太陽が出ないから」といったのですが、あってたでしょうか?

そのあとで、「でも、日本にも、太陽信仰はあって…」という話をしたのですが、日本神話になると、わたしはとたんに自信がないです。でも、その時にちょっと、太陽の性別の話をして(友だちがジェンダースタディの専門家なので)、面白かったので書いておきます。

ちょっとややこしいのですが、北欧神話には、「太陽神」のほかに、「擬人化された太陽」が登場します。たとえば、ギリシア神話でも、「太陽神」はアポロン、「太陽そのもの(太陽という馬車を駆る御者)」は、ヘリオス(ヘリウムの語源。ヘリウムは太陽から来る元素だから)といって、一応区別されています。同様に、「月の女神」はアルテミス、「月そのもの」はセレネです。北欧神話も同様で、バルドルは、太陽の馬車を駆ったりしているわけではなく、バルドルの死後も、太陽は普通に出ています。最後に狼に食われますが。

ギリシア神話では、「神」においても、「擬人化」においても、太陽は男、月は女なのですが、北欧神話では、「太陽の御者」ソールは女の子、「月の御者」マーニは男の子です(バルドルと対になる月の神は、わたしが知っている範囲にはいません。というか、バルドルは「太陽神」というよりは、「光の神」なんです)。ドイツ語でも、太陽Sonneは女性名詞、月Mondは男性名詞ですから、このあたり、いつごろ「イメージ」が切り替わったのか、あるいは切り替わらなかったのか、調べてみると面白いかもしれません。

日本でも、天照大神は女神、月読命男神ですよね。一方で、製鉄の神様の金屋子神(かなやごかみ)は女神だったり。今、わたしの周りには、ジェンダースタディをしている人が多いので、帰る前に一度、そのあたりを話題にしてみたいとたくらんでいます。