さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

冬来たりなば、春遠からじ~ラーシュさんの誕生日

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復活祭が終わってから、ウップサラは雪が消え、まだまだ日中の気温が5度前後と寒いものの、花壇には花が咲き始めました。スウェーデンでは、Tussilagoという花が、春一番に咲くそうです。以下のサイトによると、日本語では「フキタンポポ」というんだそうです。

http://www.mitomori.co.jp/hana3/hana2.3.152hukita.html

4月に入って、授業も本格的に始まり、1日、指導教官のゼミに初めて出ました。これまで顔をあわせたことがなく、メールもいつもそっけない(スウェーデンの人はたいていそうですが)ので、どんな人だろうとどきどきしていたのですが、「紳士的」という言葉が服を着て歩いているような人で、とても親切で、まずは安心しました。あと、森本レオみたいな声で、かっこいい!

ベルリンでは、先生も学生もそれぞれ良くしてくれたものの、授業や図書館で会うほかには親しくなる機会もなく、必要に応じてのお付き合いという感じでした(その距離感は、それはそれで心地よかったです)が、今回は、みんながたまってコーヒーなど飲む部屋があり、先生も学生もとても仲がいいです。

先生も、至れり尽くせりで、専門の近い学生を紹介してくれた後、図書館まで案内してくれて、必要な文献のある場所や本の借り方を教えてくれ、図書カードを作る事務手続きまで一緒にしてくれて、感激でした。

3日は、この先生の同僚で、わたしの副指導教官にあたる人が50歳になるというので、誕生日会がありました。50歳になる先生は、チューリップの花冠をかぶせてもらい(男の人です)、蝶ネクタイにピラニアのピンバッジを3つもつけて、ご満悦でした。

…これですめばよかったのですが、悲劇はパーティの最後に訪れました。ノルウェー人の女の子が、「近年、この研究室も今までになく国際色豊かになりました。外国人学生が、それぞれ自分の国の誕生日の歌で、ラーシュ(スウェーデンは、学生運動以来、教授と学生がファーストネームで呼びあう様になりました。わたしも指導教官(かっこいい!)のことを、「ヨハン」って呼んでいます)の50歳を祝います。最初にわたしがノルウェーの歌を、次にシャスティンがアメリカの歌を、それからててこが日本の歌を、最後にイェリがフィンランドの歌を歌います。」と、断るひまもなくひっぱりだされました。

ノルウェー人が歌っている間に、必死で思い出そうとするわたし(以下、内的独話)。「日本の誕生日の歌って、どんなだっけ?(註:近頃日本語が話せない)…前におばあちゃんに習った、人間50年を踊ろうか?扇子、持ってくりゃよかったなあ。いや、しかし、誰にも分からないとはいえ、人の50歳の誕生日に人生は50年と詠うわけにはいかない。やめとこう。ハッピーバースデー・トゥー・ユーは英語の歌だよなぁ。歌詞も英語だし、アメリカ人の前では歌えんなあ。あ!たんたんていうのあった」。

ノルウェー人が哀調を帯びた(何で誕生日なのに短調なの?)歌を、アメリカ人がHappy Birthday to youをカッコよく英語で歌ったあと、仕方がないので、「あのう…わたしの知っている日本の歌のメロディーは、ノルウェーのや英語のように、美しくありません」と、もそもそ言って、歌いました。「♪たんたん、たんじょうび~♪(あ、音が外れた!)♪ラーシュさんのラーシュさんの(ああッ・・・!先生が怪訝な顔してこっち見よる…)♪たんじょうび、たん!」

一瞬訪れる沈黙。「あ、これで、終わりです。おめでとうございます」研究室の人は、皆さんいい人なので、大きな拍手をもらいましたが、お遊戯をしてほめられている、幼稚園児の心境でした。恥ずかしかったよぅ(;_;)。そのあとフィンランド人が歌ったのは、Happy birthday to youの、フィンランド語バージョンでした。