この23日は秋分の日で、ベルリンでも日の暮れは7時でした(まだサマータイムなので、本当は6時)。街路樹の葉も落ち始め、この何日か、月が大きくて、すっかり秋の景色です。
ドイツに来て以来、日本の詩など(詩に限らず、言葉も、出来事も)を急速に忘れつつあります。備忘録も兼ねて、今回は、まだ覚えている秋の句をご紹介したいと思います。
花の色を 影にうつせば 秋の夜の 月ぞ野守の 鏡なりける 西行
しののめの 空霧わたり いつしかと 秋のけしきに 世はなりにけり 紫式部
あ、秋といえば、西行の「心なき身にもあはれは知られけり 鴫たつ沢の秋の夕暮れ」をもじった狂歌「菜もなき膳にあはれは知られけり しぎ焼き茄子の秋の夕暮れ」も欠かせませんね。ほかを忘れても、これは多分忘れない(笑)。