さかなのためいき、ねこのあしおと

スウェーデン滞在記。現地時間の水曜日(日本時間の水曜日午後~木曜日午前中)に更新します。

リューベック2~トーマス・マン

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リューベックは、ヴィリー・ブラント、トーマス・マン、ギュンター・グラスと、3人のノーベル賞受賞者を輩出しています。ギュンター・グラスは、確か今でもリューベックに住んでいるので、ばったり会えることを期待して行ったのですが、残念ながらそうはなりませんでした。もっとも、わたしは『ブリキの太鼓』があまりに嫌いで、30ページで挫折したので、会っても困るという説はありますが。

トーマス・マンの家は「ブッデンブローク・ハウス」という記念館として今でも残っています(大戦中の爆撃でも無事だったらしい)。最初の写真の白い家がそれで、すぐ隣には、マン兄弟が洗礼を受けたマリア教会(こちらは再建。良い写真が取れなかったので、代わりに、教会にいた悪魔を載せておきました)、市庁舎(3番目の写真)があります。

『ブッデンブローク家の人々』の中で、登場人物の一人が、栄華の頂点にある時、その没落を予感して、「今、自分たちが見ている星の光は何万年も前のもので、あの星が本当は消えかかっているんじゃないか、もう消えてしまっているんじゃないか、僕には分からないよ」というようなことを言う場面があるのですが、2年前に初めてドイツに来た時、8月にすでに日が短くなるのを実感し、まだ暑く、季節は夏なのにどんどん日が短くなるこの国でこそ、そういう感覚は生まれるのだと妙に納得したものでした。